Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans
しかし、自分の口からいったのでは、百万遍説いたにせよ、
(そうか、そうじゃッたか)
と、あの婆が、あれほど瘤にして持っている宿怨をわすれて、水にながすはずはない。
――だが、いかなお杉婆でも、息子の又八自身の口から、関ヶ原へ出かけた前後の二人の事情と、すべてのいきさつを懇ろに諭されたら、それでもなお、自分を本位田家の仇とはよもいいきれまい、また息子の嫁を横奪りして逃げた曲者ともまさか怨むまい。
(よい折りだ、その又八に、会わせてやろう。――五条まで行けば、今朝は、彼が先へ来て待っているかも知れない)
武蔵は、自分の言伝てした約束が、彼に通じているものと信じていた。従って、五条大橋まで行けば、この老婆とあの息子とが会って、その間に誤解されている自分の立場も、そこで初めて、諄々と説いて氷解させることが出来ようと考えている。
その五条大橋のたもとは、もうすぐそこに近づいていた。小松殿の薔薇園だの平相国入道の館だのが甍をならべていた平家繁昌の頃から、このあたりは民家も人通りも多い中心で、戦国以後もその旧態を残しているが、まだどこの家も戸は開いていなかった。
大晦日の宵のうちに、きれいに掃いた箒目が、まだ眠っている家々の門口に、そのまま浮いて、ほのかに白んでくる元日の光を徐々に迎えている。