Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans
武蔵は、それを拾って左の手に持ち、右の手で、起きかけている婆の体を横ざまに抱きあげた。
「ええ、口惜しい」
亀のように、お杉は、武蔵の脇の下で泳ぎながらさけんだ。
「神もないか、仏もないか。みすみす敵へ一太刀つけながら……。ええ、どうしよう、武蔵、この上は、恥を掻かせずに、首を討て、さあ、婆の首を討て」
武蔵は、口を結んだきり、ただ黙々と大股に歩き出した。
絞り出すようなしゃがれ声で、その間、お杉婆はいいつづけている。
「こうなることも、武運じゃ、天命じゃ、神のお旨を思えば、なんの未練があろうぞ。――権叔父も旅で死に、婆も返り討ちになったと聞けば、あの又八も、奮い起って、きっと、仇を討とうという気になるだろう。婆の死は、決して犬死にはならぬ。かえって、あの子のためにはよい薬じゃ。武蔵っ、はよう婆の命を奪れ。……どこへ行くのじゃ? ……死に恥掻かす気か、はよう首を討てっ」
六
武蔵は耳もかさなかった。
婆のからだを横に抱えて、五条大橋のそばまで来ると、
(どこへ置いたものか)
と、お杉の身の処置を考えるように、辺りを眺め廻していたが、
「そうだ……」
河原へ下りて、そこの橋杭に繋いであった河舟の底へ、お杉のからだをそっと卸し、