Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

と、必死にたしなめて、

――冷たく、冷たく、冷たく。

と、自己の行為しようとする意思を、みなふだんの女の修養というものの下へじっと抑えつけてしまうのだった。

しかし、朱実が去ると、彼女はもうそういう怺えはかなぐり捨てた。武蔵へ向って、いうつもりであった。どういうことをいおうなどと考えている遑はもとよりなかったが、胸のうちのものをみんないうつもりであった。

人生の道はいつも、一歩が機微である。また、なにかの場合に、ふだんの常識さえあれば、分りきっていることを、ふと、心へ間違いを映しとってしまうためにその一歩が、十年のまちがいになったりする。

武蔵の影を見失ったために、お通は、お杉隠居に出会ってしまった。元日なのに、きょうはなんという凶い日か、彼女の花園には蛇ばかりが出た。

――夢中で彼女は三、四町ほど逃げた。ふだんでも、怖い夢を見たと思うと、その中にはきっと、お杉の顔があった。その顔が、夢でもなく、追って来るのである。

息がつづかなくなった。

お通は振向いてみた。

ほっとその途端に初めて呼吸が休んだのである。お杉隠居は、半町ほど後ろで、城太郎の首をしめて、立ちどまっている。