Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
Lisez 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 989 caractères · 144 écrans
どうして/\、モオパッサンは彼等のような融通のきかない、平面描写や無技巧主義の小説なんぞを書いては居ない。「女の一生」とか、「ベラアミ」とか、云う、彼の傑作と称せられて居る作品を、誰が見たって、正直なる「自然の再現」だと感ずる者はありゃしないだろう。其処には山沢山の、素晴らしい大仕掛けの芝居が演ぜられて居て、日本の自然主義者の所謂「拵え物」である事は、一目瞭然として居るじゃないか。第一、モオパッサンの文章は彼等の書くようなボキボキした、味も塩気もない、カンナ屑見たいな悪文とは、まるきり質が違って居る。何処となくアクが抜けてスッキリとして居ながら、飽く迄も流麗で光沢に富み、美しい、独特のリズムを持って居て、さすがに瀟洒なフランス人の書く物だと頷かせる。己の解釈を以てすると、モオパッサンのえらい所は、自然主義者の云うような、忠実な、馬鹿正直な、むやみにだら/\した自然の描写にあるのではなく、やっぱり彼の構想の偉大と、行文の暢達と、其れ等に依って生き生きと表現されて居る人間の肉欲生活の葛藤とにあるのだろうと思う。全体、あれ程立派な藝術的作品の、影響を受けて居る筈の自然派の作家に、どうしてあんな土ッ臭い、野暮ッたらしいまずい小説が書けるのか、己には実際不思議でならない。