Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 130 caractères · 288 écrans
身扮も平常のまま、金は一文も持っていたはずはなく、その上心掛けのある町人に似げなく、麻裏草履を突っかけて、手拭を一本持ったきりで出て行ったのですから、三輪の万七が一と月がかりで嗅ぎ廻っても、この失踪の謎は解けそうもありません。
「ところが、主人の金蔵が家出をしてから、四日目の晩に泥棒が入って、店にあった主人の財布ごと、有金二三十両盗った上、十四になる小僧の要吉に怪我をさせて行きましたよ」
ガラッ八は得意の聴込みを説明してくれました。
「家出してから四日目は変だな」
と平次。
「ね、変でしょう。金蔵が殺されたものなら、殺した野郎はその晩盗みに入るわけだ」
「殺されたと決ったわけじゃあるめえ」
「とにかく物騒で放ってもおけないから、町役人立会の上、七日目に丸屋の身上を調べてみると、有金が八百両、外に貸金が千五百両、抵当流れになった地所家作を勘定すると、容易ならぬ額です。たった三年の間に、どんな高利に金を廻したって五十や百の金じゃこうは太らねえ。これは新鳥越の菱屋が没落のとき、番頭の金蔵奴うまく立廻ってうんと取込んでおいたに違いありません」
「フーム、菱屋は御法度の抜け荷(密輸入)を捌いて、主人の市兵衛は一番番頭と一緒に三宅島へ遠島になったはずだな」