Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 130 caractères · 288 écrans
ました。
あとは五六人の若い奉公人だけ。それは厳重に仕切られた別棟の方に寝るので、奉公人仲間に知られずに、ここへ来る工夫はなかったのです。次に平次が逢ったのは、幾太郎の妹で、主人三郎兵衛の娘のお栄でした。せいぜい十七八、まだ小娘といっていいほどの柄ですが、それがまた恐ろしいおしゃべりで、さすがの平次も受け太刀になる有様、ガラッ八が逃げ出したのも無理はないような気がします。
「親分、何でも訊いて下さい。私の知っていることは、みんな言ってしまいますよ、――兄さんの事ですって? 兄さんが囲いなんかに入れられた事でしょう。え、判りますわ。少しばかり物を持出したり、お父さんにちょっと楯をついたくらいのことで、座敷牢のようなところに入れられたと聞いたら、世間様はそりゃ不思議に思いますよ。それも、これも、みんなワケのあることなのですよ。え、私の口からは言われないけれど――」
といった調子。こんなのに引っ掛っていると、要領を得ないうちに、請合い日が暮れてしまいます。きりょうも満更でないのが、なんだって馬鹿馬鹿しく強靭な舌を持って生れたことだろうと、平次は気の毒にさえなるのでした。