Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
濡れるのも構わず、泥の中に膝を突いて、暗渠に手を入れると、指先に触れたのは、固い箱が二つ、引出してみると、紛れもないそれは千両箱です。
「…………」
物をも言わずに飛付いた奥宮鏡太郎、千両箱を抱えるようにしたまま、用人の玉垣三郎兵衛を呼んで、四人立会いのうえ蓋を払いました。
「あッ」
中は燦たる小判、何の紛れもありません。
「有難い、平次殿。心ばかりの御礼もしたい、まず拙者長屋へ――」
二つの千両箱を金蔵に納めると、奥宮鏡太郎は平次を誘います。
「とんでもない奥宮様、あれはあっしの働きじゃございません。あっしに教えてくれた人があるのです、――外にも急ぎの用事があります。御免下さい」
平次は相手の引止めそうな様子を見ると、返事も聴かずにサッと引揚げました。
行く先は左内坂の成瀬九十郎の道場。
成瀬九十郎に逢って、どんな態度に出たものか、平次も全く思案が定まりません。思い切って縛ったものだろうか、相手の出ようを見たものだろうか、兇賊山脇玄内というのは、成瀬九十郎の変名に相違ないと睨みましたが、さすがの平次も、この忍術の師匠を縛るだけの証拠は一つも手に入らなかったのです。