Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

。だから、お曾与殺しの下手人が挙がらなきゃ、神田中の綺麗な娘が、種切れになると、大真面目で思い込んでやがるから世話はない」

こう言って、ペッペッと唾を吐くのです。

「八、その家の中から庭へ唾を飛ばすのだけは止してくれ。大層見事な芸当だが、千番に一番間違って、畳へ落ちた日にゃ、表替えでもしなきゃ追っつくまい」

「へッ」

八五郎はモリモリと鬢を掻きました。

「ところで話の続きはどうした」

「そこで、十三屋へ乗込んでお曾与の死体を見せて貰ったが――親分、良い心持のものじゃないね、あの娘が達者なときはたまにからかってもみたが、駒次郎という大きな餌に喰い付いているせいか、こちとらには鼻汁も引っかけなかった娘だが、死んでみると可哀想だ」

「無駄はいい加減にして、それからどうした?」

「娘は路地の外で殺されていたのを、一と足おくれて帰って来たお袋が、躓いて気が付いた、まだ月は出なかったし、昨夜はやけに暗かった」

「…………」

「起してみると、自分の娘のお曾与が、白木の三尺で絞め殺されている――」

「白木の三尺?」

「その三尺は誰のだと思います、親分?」

「下手人のでないことだけは確かだろうよ」