Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
「お嬢さんや左太松には不服はなかったのだね」
「お嬢さんも、左太松の方が好きだったかも解りませんが、お国と一緒に、外へ世帯を持っていちゃ、どうすることも出来ません。それに左太松もお嬢さんの婿には、朋輩の祐吉どんの方がいいと、自分の口から勧めたくらいでございます」
「それじゃ、どっちにも怨みはないわけだな」
「怨みどころか、今の若主人の祐吉様にとっては、殺された左太松は恩人のようなものでござります。あれほどの大身代を、左太松の一言で継いだようなものですから」
「若主人の祐吉さんと、家付きのお小夜さんとの間はどうだ」
「別に、悪くはありませんようで」
理三郎の言葉には、何となく歯切れの悪さがあります。
「お国とかいうのが、今でも左太松と一緒にいるのかい」
「一緒にはおりますが――」
「はっきり物を言ってくれ、つまらない事を隠し立てすると、助かる者も助からないことになるよ」
平次はもどかしそうにきめつけました。
「ヘエ、申します。みんな申上げてしまいます。実は、――お国という女が悪うございます」
「どうしたというのだ」
「左太松をあんなに夢中にさせて、小法師の跡取りになれるのまで棒に振らせながら、近頃は――」