Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
「あ、親分さん」
素知らぬ顔で迎えた理三郎に案内させて、まずひとわたり家の間取りを見せてもらいます。
公儀御用の御筆屋で、店といってもそんなに品が置いてあるわけではなく、小僧が三人、番頭が一人、しょんぼり坐って、忌中らしく垂れ籠めておりました。
次は八畳の居間、六畳の仏間、その端っこまで土間が喰い込んで、店二階の梯子は、その土間からすぐ登れるようになっております。土間の上から居間半分ほどへかけては二階がなく、天井までは二間半以上もあるでしょう。一本の巌乗な梁が、その中ほどを貫通しているのを見ると、幽霊を宙乗りさせる趣向が、誰にでも浮びそうです。この梁へ綱をかけて、二階の手摺から引上げると、幽霊の一人ぐらいは、わけもなく宙乗りさせられるでしょう。
平次はまず若主人の祐吉に逢いました。
「親分、御苦労様で」
二十五というにしては、立派な貫禄です。色白の柔和な顔立ち、ちょっと微笑すると、若い娘のような可愛らしい顔になりますが、性根はなかなか確りものらしく、言葉の角々もはっきりして、大家の主人らしさに申分もありません。
「とんだことでしたな」
「左太松どんが可哀想でなりません。