Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
「小僧の宮次が見えなくなったんです」
「えッ」
十四五の小柄な可愛らしい小僧は、平次も幾度か物を訊いた記憶があります。
「旦那と一緒に外へ出たんだが、帰ったのは旦那だけで、宮次はツイそこで見えなくなったと言うんで――」
「フーム」
平次は八五郎の説明を聞き流して、主人の祐吉に逢いました。
「銭形の親分、困ったことになりました」
祐吉もさすがにうろたえた様子です。
「ね、御主人、隠さずに言って下さい。あの宮次という小僧に、格別目をかけてやっていたでしょう」
「と言うと――?」
「この大家の跡を取って、まだ一年にもならない旦那が、店に一人の腹心が欲しかったのも無理はありません」
「親分、そう言われると面目ないが、ときどき小遣をやって、いろんな事を聞いていましたよ」
――と祐吉。
「例えば、甲子太郎とお国の逢引の相談といったような事を――」
「…………」
祐吉は黙りこくってしまいました。恐れ入った姿です。それを聞くとガラッ八は平次の袖を引いて、変な目配せをします。甲子太郎とお国の逢引を知っている者は、下手人に違いないと思い込んでいるのでしょう。
「すると、あの宮次という小僧は、銭さえ貰えば、どんな事でもする人間だったのですね」