Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans

Aozora Bunko

話は次第にその晩の筋になって来ます。

「涼み船を出して、首尾よく笑い茸の酒を呑ませ、皆んなの、あらゆる馬鹿な姿を眺めました。それがせめてもの――翌る日は死んで行く私の腹癒せだったのです。その晩帰ると、奉公人に皆んな暇を出し、この家に火をつけて、私は首でも縊るつもりでした。――それが、船を沈められたり、七平が殺されたり、あんな思いも寄らぬ騒ぎになってしまったのです。私の死ぬのは、そのお蔭で一晩遅れました――もっとも」

「…………」

「もっとも、卯八だけは私の心持をようく知っていました。あればかりは、私におべっかも使わず、お世辞らしい事も言いませんが、こんな落目になっても、一生懸命、私を庇ってくれました。――笑い茸の企みなども、最初はたって止めましたが、命に別条のないことだからと説きふせられて、私に一世一代の溜飲を下げさせたのです」

「船を沈めさせたのは誰の指図だ」

平次はそれを知りたかったのです。

「それは知りません。――私は自分の命さえ捨てるつもりでした。今さら嘘も偽りもありません。船頭の三吉に、船を沈めることを言い付けたのだけは、この私じゃない」

「すると?」