Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
「ふざけるなお篠、――昨夜持って来た金、ありゃどこから出した」
「どこから出そうと勝手じゃありませんか」
「山名屋の主人を殺したのが、お前でないという証拠は一つもないぞ」
「えッ」
「脇差をどこへ捨てた」
「何を言うんだい、――私はそんな事を知るものか。金は妹を奉公させる代りに、二百両受取ったに違いないが、私が別れる時はピンピンしていたあの五左衛門が――」
お篠の言葉は半分述懐になって、何やら深々と考え込んでしまいました。
「言い訳はお白洲でするがいい、さア、来い、――俺までだしに使いやがって太え女だ」
ガラッ八はなおもお篠の手をグイグイと引きます。
「そんなつもりじゃありませんよ。私が二百両の金を取って来たわけ、みんな言ってしまいましょう、八五郎親分」
お篠はガラリと調子を変えると、崩折れるようにそこに坐ってしまいました。
幸い母親は観音様のお詣りで留守、誰に遠慮もなく、お篠は続けるのです。
山名屋五左衛門は庶腹の弟で家を継ぎましたが、五左衛門の兄に当る先代五左衛門の子の宗兵衛というのが、五十を越して倅宗次郎と一緒に、金沢町に細々と暮しておりました。これは当然山名屋を継ぐべきはずでしたが、放埒で眼を潰した上、父親の生前勘当されていたことを言い立てて、叔父の五左衛門に追い出され、叔父の五左衛門自身が山名屋の後に坐り込ん