Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
せいぜい十七八、洗いざらしの単衣を着て、色の褪めた赤い帯をしめておりますが、何となく清浄な感じのする娘です。
「あの、叔父さんは?」
「叔父さん?」
「周助さんはどうかしたんでしょうか」
「お前は周助に用事があって来たんだね」
「…………」
「周助の何だ」
平次の調子は、いつもになく厳しくなりました。飛込んで来た手掛りを、あわてて手繰り寄せようとしたのです。
「何でもありません」
「何でもない周助を訪ねて来たというのか」
「え」
「どんな用事があったんだ」
「なんにも用事なんかありません。この辺まで来たついでに寄ったんです」
平次はこの娘から、何にも引出せそうもない事に気がつきました。血腥い事件に関係するにしては、娘はあまりに明けっ放しで、清らかです。
「銭形の、うまい者が飛込んで来たようだね」
三輪の万七は、いつの間にやら、後ろに立っていたのです。
「三輪の兄哥か、――銅六はどうした?」
平次も少しばかり皮肉になってみたい心持のする日でした。
「何にも言わねえ――、石でも抱かなきゃ口を割る野郎じゃねえ」
「で?」
「俺は銅六の家を見に来たのさ。ところが銅六よりも面白そうなのが見付かったじゃないか、さすがは銭形の兄哥だ、そいつを現場へつれて行って、一と眼、周助に逢わせてみるがいい」