Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
宵のうちは三軒とも灯がなかった、そのうち一番先に戌刻半(九時)頃伝吉の家の灯が点いて、間もなく周助が帰って来た、周助が帰って四半刻(三十分)もすると、寝てしまった様子で周助の家の灯が消え、間もなく銅六が帰って来てしばらくすると酒を買いに出かけた――こうですよ、親分」
「少しうるさいな、――こうだろう、一番先に伝吉、それから周助、一番後に銅六が帰ったのだな。そのうち伝吉だけは姿を見られたわけではない、灯が点いたから、近所の者が帰ったと思った、――とこう言うんだろう」
「その通りで」
「周助の殺されるのを、両隣の者が知らずにいるはずはないな」
と平次。
「壁は穴だらけで、坐ったまま隣の家と金槌や硫黄付け木の貸し借りをしている長屋だ、周助があれだけノタ打ち廻るのを知らないはずはない、ギャッとかスウとか言えば、すぐ気が付きますよ」
「有難う、それでだいぶ判りそうだ、――ところで、三輪の兄哥が眼鏡違いをしたというのは、どういうわけだ」
「銅六を帰しましたよ」
「それっきりか」
「銅六は路地の外から町内中に聞えるような声で呶鳴りましたよ。――自慢じゃねえが、昨夜たった一枚こっきりの袷は殺したが、人なんか殺した覚えはねえ、岡っ引奴どこへ眼玉を付けてやがる、周助の切支丹野郎が死んだのは仏様の罰だ、ざまア見やがれ――って」