Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
とそんな事も言ってくれました」
「何か、閑斎の急所を掴んでるわけだね」
「いえ、そんな事もないでしょうが――」
伝吉は少しヘドモドしました。自分達には辛くとも、お澪の父親の事を、悪く思って貰いたくない様子です。
「ところで、昨夜お前が帰ったのは、何刻だえ」
「亥刻半過ぎでした」
「前から灯は点いていたというが、それはどういうわけだ」
「それがあっしにも判りません」
「お前が帰って来た時、灯が点いていたというのか」
「ヘエ――」
伝吉は首を捻るばかりです。
「それじゃもう一つ訊くが、この雪駄は誰のだい」
平次は最後の切札を出しました。銅六の家から持って来た南部表革鼻緒の雪駄が一足。
「それは」
伝吉の顔色がサッと変りました。
「この雪駄が昨夜周助の家の裏口にあったんだ、――本当の事を言わなきゃ取返しがつかないよ」
平次の刺した釘が、想像以上に利いた様子です。
「あっしのですよ、親分」
伝吉の応えは予想外です。
「何?」
「二三日前に、お隣の裏口へ忘れて来た雪駄ですよ」
伝吉はゴクリと固唾を呑みました。
「自分の履いて行った雪駄を忘れて来たというのか」
「ヘエ――」
「魚屋がなめし革の鼻緒の雪駄を履いて歩くのか」