Classiques japonais avec furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lisez 食道楽 (くいどうらく) de 村井 弦斎 (むらいげんさい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 435 caractères · 329 écrans
お登和さん、これは何というものです」お登和嬢「それは鶏の摺立汁と申します。拵え方は鶏の極く柔い処の肉を湯に入れてホンの少しの塩を加えて湯煮ます。湯煮る時間は大小次第ですが一羽丸のままならば二時間位、少しの肉なら三十分から一時間位でようございます。湯煮た肉を湯から出して肉挽器械があればそれで挽くと便利ですし、なければ庖丁でよく叩いて細かくして擂鉢へ入れてよく擂ります。よほどよく気長に擂らないといけません。それからその肉を裏漉しに致しますがこれも慣れない内はなかなか面倒でちょいと漉せません。しかし丁寧に根気好く漉せば誰にでも出来ます。別に御飯を少しばかり、そうですね肉が一斤なら御飯を大匙三杯位擂鉢で擂ってやっぱり裏漉しにします。それから肉と御飯とをよく混ぜて先刻の湯煮た汁へ味淋やお醤油で極く美味しく味をつけて、その汁で肉と御飯を溶いて行ってザッと沸立たせたのがこの摺立汁でございます」小山「道理で大層結構だと思いました。日本料理でこんな美味しい汁は滅多に戴いた事がありません。ここにある鯛の煮たのも大層美味しゅうございますがこれは何というお料理です」お登和嬢「それは鯛の難波煮と申して先ず鯛を三枚に卸ろして火の上で炙きます。