Classiques japonais avec furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lisez 食道楽 (くいどうらく) de 村井 弦斎 (むらいげんさい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 435 caractères · 329 écrans
それは何故そんなに不味いかというと、一、二特別な家を除くの外大概は牛のブリスケとかイチボとかいうような肉一斤へ一升位な水を入れて二時間も煮ると肉を出してしまいます。其処へ野菜を入れて味をつけてちょこちょこと実を投げ込んで客へ出すからその淡いこと塩湯同様です。スープから出した肉は薄く切ってコールミートになり、細かく砕いてコロッケになり、色々なものに変化します。つまり一つの肉がスープの種にもなり外の料理にもなって二度の勤めをします。スープの味と香気は決してそんなものにありません。ホテルのスープになると随分色々残肉を使いますけれども先ず一通りはスープの順序を踏んでいます。即ち牛の脛の骨付肉が最もスープに適当な処で、その肉を細かく切り骨もともにおよそ二斤半位なものへ水を五合ほど入れて、火にかけたら最初の内浮いて来るアクを幾度も掬い取ってそれから玉葱一つ人参二つ、セロリー少々を入れて塩をホンの少し加えて鍋の蓋をして弱い火で四時間ばかり煮ます。火が強いと濁ごっていけません。五合の水が二合位に煮詰った時裏漉しにしてまた布で漉します。それは器の上へ白布をかけてその上へ裏漉を置いて鍋のスープを注げば一度に二度漉せます。