Classiques japonais avec furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lisez 食道楽 (くいどうらく) de 村井 弦斎 (むらいげんさい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 435 caractères · 329 écrans
君の分も出来ているよ。お登和が君に差上げないのを残念に思っている」と勧むる背後へそうっと出で来れるお登和嬢「大原さん、どうぞお上り下さい」と兄の言葉について小さく言えど勧むる心は兄にも優れり。大原は御馳走と聞きて足が動かず、その上お登和嬢の心を籠めたる妙音が我身を引寄せるように覚え「ではちょいとお邪魔をしようかね、広海さんにも先日のお礼を申さねばならん」とこれも理由の一つに数えて遂にそのまま座敷へ入りぬ。子爵との挨拶も済まざる内にお登和嬢はいそいそとして大原のために膳の上の用意をなし、サッサと第一の料理を持来たりて座中の人々に薦めたり。子爵と玉江嬢とは席に就きぬ。大原も頭を掻き掻き食卓の前に進み「僕はあまり遅くなると困るからね」中川「マアいいさ、一つ二つ食べて行き給え。今日のは珍料理だよ、最初に出たのは何だか知っているか」大原「一向知らんね、妙なものだ」中川「それはカビヤカナペールというのだ」大原「何の事だね」中川「即ち魯国産の鱒の子だ。鑵詰の鱒の子へレモン汁を少し滴らしてパンへ塗りつけて周囲へレモンを切って付けたのだ」大原「なるほど、初めてお目にかかる、これは美味い」