Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
あります。
それが偽物か前のが偽物か、宗門方と陽之助の間に、目まぐるしい紛争がありましたが、ともあれ一騎の使いを山屋敷へ飛ばせてみると、お蝶の駕は着いていません。
落度の争いは後のこと、さては前の一列こそ、何者か企んだ偽役にちがいないと、中坊陽之助と宗門方の役人は、八方行方をさがし求めて、その追跡にあせりましたが、江戸三十六見付、何の手懸りもありません。
その早朝、根岸の里にも飛報がありました。
息をきって知らせに来たのは、この四、五日、ここへも帰らなかった高麗村の次郎で、
「おりんさん、おりんさん、お嬢様はどうしたい?」
と、声のありッたけを出して、今起きたばかりの耳を驚かしました。
縁先で、小鳥の摺餌を作っていたおりんと、庭先の吹井戸で髪をなでていた月江は、
「まあ……」と、両方から彼の突拍子もない現れに目をみはって、
「次郎じゃありませんか、どうしたの?」
「あ、お嬢様ですか、どうもこうもありません、早く支度をして、私と一緒に、お濠端まで来てください」
「お濠端へ? 何をしに」
「くわしいことは話していられませんが、何しろ、大変なさわぎ、あの、日本左衛門がネお嬢様、天運つきて、とうとう蠅にかかったんです」