Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

「ああっ。……時政かっ?」

なおも、信じられないように、呻いたが、最期と、観念したものか、

「欺かれたっ」

と、無念そうに、歯がみをしながら、長刀を振って、いきなり時政の真っこうへ跳びついて来た。

*     *     *

頼朝は、山の大日堂の縁に、じっと立ったまま身動きもせず、そこから、山之木郷の空を見ていた。

北条家の館は、しいんとしていた。男という男はあらかた時政について、こよいの人数に加わって行ったので、女たちの局に、微かな灯影が、おののいて見えるだけだった。

後に残った者のほうが、戦に出て行った人々よりも、遥かに、大きな動悸を胸に抱いていた。――一瞬一瞬、身を刻まれるように、

「軍は、勝ちか負けか」

と、心配していた。

味方の負けた場合は?

当然、頼朝は、考えていた。――一死あるまで、と初めはそう覚悟していたが、こよいになってから、

(いやそうでない。逃げきれるまで逃げ退こう。若い生命だ。あだには)

と、思い直したりしていた。

その場合、館に残っている時政の妻や娘などを、どうして救って行こうか、そんな事まで案じられたが、どうしても、