Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

七

宗時の胸には、もっと大きな時代の波が打っていた。それへ乗り出そうとする壮図の纜が、まだ岸から解かれずに、ただ張りつめていたのであった。

七

大日堂は、御所之内の丘にあった。時政の父時家の代に、守山の願成就院から、ここの園内へ移したものである。

何か、重大な考え事でもあると時政はよくここへ黙想に来る。ここに立てば、父祖の遺業の地は一望に見られる。また、大日の像を拝すれば、物事に当って、すぐ赫怒し易い自分の短所が、

――そうではないぞ。

と、宥められる心地がする。

「お父様。お召でございましたか」

そこへ登って来た政子が、自分の前にあるのも知らずに、彼は、御堂のぬれ縁に腰かけたまま、拱いて俯向いていた。

「……オオ」

と、時政は、充血した顔をあげた。素直なむすめのやや恟々している眸を見ると、彼は可憐しくもなって、

「政子か。ここへかけるがよい。……何、べつにこれまで呼ぶ程の用でもないが、誰もおらぬ所のほうが、其女もよかろうと思うてな」

「何か、わたくしへ、お訊ね事でも……?」

「嫁入りのことだが」

「……はい」

政子は父の下へ、そっと腰かけて、足もとの散り紅葉を見ていた。