Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

二

「は、は、は。ははは」

話し相手は、主の大蔵卿であった。笑いが止まらないといったように笑う。

吉次は、口をつぐんだ。――もう話してもばからしいという顔つきで。

葛布の小袴に、縹色の小直垂、道中用の野太刀一腰、次の間においているだけだった。いくら黄金の力を内心誇ってみていても、都の貴人の前へ出ては、みちのくの一商人としか見られないのが、業腹でならなかった。

二

怒れない。怒ったら商人は損と極まったものだ。――が、そう自分にいい聞かせなくても、吉次はその道の老巧だった。公卿や武将を相手に、その玩具になり、馬鹿になることの名人だった。

「――馬が仔を産みましてな、いやこんどの道中で」

いきなり途方もない事を云い出して、ひとりで、へらへら笑いだした。

「馬の仔を、ご覧になったことがございますか。産れるとすぐ、歩き出しますんで。――どうして、可愛い奴ですよ」

「何をいうかと思えば、馬の仔のはなしか。やくたいもない」

一条朝成は欠伸をして、

「長談義、ちと飽いた。――用がなくば、また来い。まだ当分は、都に逗留であろう」

「はい、こんども、夏ぐち頃までは……」

「商いか」

「左様で。