Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

四

それはよいが、常磐の前身など口に出して、暗に、九年前の世間の陰口と同じような口吻をもらしている。いくら人のよい一条朝成にしても、不愉快になったのは、当然であった。

「……どうも、失礼を」

吉次はまた、ひょっこりと、彼のいる室へ、戻って来た。そして、朝成の眼のまえに、例年のとおり十匹の伊達絹と、一提げの漆桶などの土産物をならべた。

四

「どうか、お気にかけないで下さいまし。つまらぬ事ばかりしゃべりまして。――これは毎年の物で珍しくもございませんが、ほんのごあいさつまでに」

土産物を置くと、吉次は、ふたつ三つ軽口を云って帰ってしまった。

帰った後で、一条朝成が、何げなくその伊達絹や漆桶の土産物を一見すると、意外な物が見出された。

一嚢の砂金である。片手ではちょっと膝に持上がらない程の額だった。

「太々しい男……」

その時は怒ったが、日のたつほど、怒る愚を考えて来た。

しかも吉次は、とうとうその年はそれきり顔を見せなかった。

年暮から初春を越すと、砂金のかねは半分以上も手をつけてしまっていた。――また、雪が解ける。四、五月が近い。黄金売吉次が京へ出て来る頃となろう。