Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
鶴ヶ岡
一
維盛も忠度も、半信半疑に、唾をのんで聞いていた。
鶴ヶ岡
一
鎌倉へ。
鎌倉へ。
一兵卒にいたるまでこの目標は持っていた。分りのよい相言葉だった。
たちまち、それは時の声となり、揃う足なみともなった。軍隊の中だけではない。庶民の生活目標までが、何んとなく、
鎌倉へ。鎌倉へ。
と、意志づけられた。その足なみから外れると、時代の流れに置き去られる気がした。
――京都へ。六波羅へ。
頼朝がそう云ったら、或いは、危なげを抱いて、一斉に従いて来なかったかも知れなかった。――けれど、鎌倉と聞けば、源氏発祥の地――坂東武士の心の故郷――天嶮の地勢――民心はかえってそこの新鮮な土の香と、次の建設を逞しく想像した。
どの顔も、どの顔も、秋の陽に焦けて真っ黒である。眼ばかりが光っている。甲冑も粗末なのが多い。弓も箭も手拵えのただ頑丈なのが多い。――そういう将兵が何万何千か知れないほど通った。
細谷川の水も草間の小川も、すべてを抱擁してゆく大河のそれのように、頼朝の軍は、行く行く投降者を収めたり、迎え出る郷軍などを加えて、十月の六日、鎌倉へ着いた時は、人家もまばらなそこの漁村や農土を、いちどに人と馬で埋めてしまう程だった。