Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

兼道も、あの家は正暦年間より一度も火災に遭うたこともないめでたい家、住み古したれど、当座のご用に献じたいと申し立ておるとか。……そう致したら工事は幾日で出来あがるな」

「七日は要しましょう」

「七日」

頼朝は、そこへ自分がすぐ住もうとは考えていないのである。一日もはやく妻の政子に、自分の手で造った家と安心を与えてやりたかった。

「続いて、そちへ作事を申しつけておく。速やかにせよ」

その日の黄昏から夜にかけて、もう夥しい馬、牛、車などが徴発され、千人をこえるであろう人夫や兵卒が松明をかざし、材木や石の綱を曳き、山内と大倉郷との道すじは、さながら戦場のような喧騒と赤い光でいぶっていた。

「道をひらけ。下におれ」

そこへ、騎馬徒歩で三十人ほどの侍が、ひとりの婦人を乗せた輿を護って、さしかかって来た。

「何じゃ。何者じゃ」

「どこの女性か」

人夫を指揮している将のひとりが咎めると、

「無礼すな。これに在わすは、御台所の政子の方様である。伊豆の秋戸の里よりお渡りあって、今この鎌倉へお着きなされたところだ」

「……あっ、御台所で」

人々は驚いて牛を退け、馬を曳いて、わらわらと土下座した。