Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

「おたがいだ。ところで、佐々木殿、先にここを曳かせて通ったのは、生※(「口+妾」、第4水準2-4-1)と見たが、お上から拝領なされたのか」

「あ。あれか」

高綱は、にっと景季のひとみを見つめながら、自分の頬のあたりを、右の掌で一つ打った。

「見つかっては是非もない。実を吐くが、他言して給わるな」

「戴いたのではないのか」

「どうして、あれを下さろうぞ。――出陣の真際、恥ずかしいが、良い馬に事を欠き、思案にくれたあげく、お厩の御料一匹おねだり申そうかと考えたが、もし、下された馬がさほどの逸物でなかったら、合戦に臨まぬうちから、我のみ負れをとる。……ままよ、後でご勘当うけたら、功名と差引。討死いたしたら、香華の代りと、おあきらめ下さろう。……そう考えてな、盗み出して来たのだ。暗夜、ひそかにお厩の内から」

「えっ、盗んで来たと」

「所詮、われわれ風情では、正直では名馬は得られぬからな。あははは」

「盗みおったとは。――いや、押太さにも、上には上のあるものよ、アハハハ」

高綱は笑う。

景季も笑ってしまう。

手をたたいて、二人は笑った。

もうそこには何のわだかまりもない。