Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
獣小屋を窺ってみると人気はなく、土間には土を掘った炉穴に榾の燃え残りがいぶっている。辺りの薪をくべ足し、腰をおろして、
「金王。おぬしは、京へ戻るというが、都の内には、平家に降を乞うて、生き長らえておるような腰ぬけはいざ知らず、源氏と名のつく者は、一人だに、陽の映す下は歩けぬ世となり終ったが……そうした危うさを合点で行くのか」
「元よりです。乱後まだ一日か二日、洛内の余燼もいぶっておりましょう。勝ち誇った平家の武者ばらの気も立っておりましょう。けれど十分、心して、敵の目をぬけて紛れ入るつもりであります」
「そして?」
「その先の事ですか」
「されば……おぬしの仰せつかった使命の的は、およそ察しはついておるが」
「いや、そのお使いは頭殿から仰せ出した儀ではありません。お口にだに洩らさぬだけに、お胸のうちを察して、この金王から途々何度も申しあげ、ようやく、ではとお許しが出たので参るのです」
「よくぞ気づかれた。われら源氏という者の一門は今日亡び去っても、明日へながれる血は亡びぬ。その一脈のお血につながる可憐しきお人や幼い方々が、まだ都には残されておざったな」
土間炉の榾が燃えてきた。