Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate

Aozora Bunko

五月三十日

足袋がなくて大閉口よ。では、ね。

五月三十日 (消印)〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

五月二十九日  第二十六信

けさ、やっと到着いたしました。西とかきかけて半分で消してちゃんと目白となって居りました。

どうもいろいろありがとう。事理としては明白なのですから、天気がわるければ云々と云われると、大変きまりがわるいことね。何かじぶくりでもするようで。でも、このお手紙を頂いて私としてきのうの手紙はやっぱりあれとして書いてよかったように思えます。決して心理主義ではないけれども、このお手紙には私があのとき感じたような感じかたへの想像が具体的にまだ通じていないことがわかりますから。

面倒くさいみたいな印象をおうけになるかもしれないけれど、でも、生きてゆく心持のあの波この波でね。事理は明白であっても、おのずから又そこに伴って感じるものがいろいろにあるところが、つまり小説というものが人生に存在してゆくわけでもあるのでしょう。そして、いろいろの事情のなかで、或る種のことに対して、つよく感じる場合があるのも現実のいきさつでしょう。

私のきのうの手紙をあなたがどう御覧になるかということには深い興味があるわ。