Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate
十月十六日
本当にすっとするような男らしい美しさだから、泉子が思わず私に訴える思いのあることは十分察しられます。泉子の恍惚ぶりが決して不思議でなくて、その自然さがやはり奇麗だからいいものねえ。そういうときの泉子のきれいさは、花びらの真中に見事な蕊をもっているような、微塵空虚なところのない姿ですね。あなたもあれを御覧になればきっと、そうね、何と仰言るかしら。仰言る声をききたいものだと思います。月曜におめにかかります、十七日から三日間お休みつづきよ。
十月十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十月十六日 第四十四信
きょうかえって見たら十三日のお手紙着。楽しみにしてね、先ず封を切らないまま二階へもってあがって、それからすっかり部屋の掃除をして、途中で買って来たきれいな淡桃色のカーネーションを机の上に、それから赤い小さい玉のついたつるもどきを北側の窓のところにそれぞれさして、すっかり顔を洗いいい心持になって、開封式。きょうはうちは(というのは二階はのことよ)あしたのお祝の準備でうれしいことのあった日で、私も思い設けぬヴィタミンをのむことが出来たし、本当にいい午すぎです。