Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate
「スエズ」その他引つづきよみたいものが出て来て、ほんとにあの本はうれしうらめし、よ。そして又一方には、こういう本の面白さ、現実性に対して、同等の熱量をもつ小説というものが実に不足を感じます。文学の立ちおくれということは、単純でない理由をもっているから、或意味でおくれているのが本当ながら、しかし本質が非常に弱ったものの上におかれているとき、文学のおくれは実にひどいことねえ。何ものをも描き出していないという位の印象で。私は面白い本をよむにつけ、同じように面白い小説がよみたいわ。波頭について云えば、勿論小説の書く現実はずっとおそくうちよせた波についてかいているのが必然だが、少くともその波の描きかたの深さ、正確さ、規模に於て、ね。本当にそういう小説がほしいわねえ。何てほしいでしょう。自分だけとしての感情で云えば、古典が実に古典化してしまった感じです。今私は自分のためばかりに古い小説をよみたいと思いません。今日の歴史性刻々の古典がほしいわ。
あの支那についての本の著者が生きていることはおめでたいことです。こんなものね。いろんな希望がいろんな形で話されるのが分って、面白うございます。