Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

ではまだ雷神の滝の上に、お師匠さまがおいでになるかも知れませぬゆえ、ひとことお礼を申しあげて、すぐその足で天ヶ丘へむかいまする」

「なんという。では、果心居士先生が、この近くにおいであるのか。オオ、ちょうどよいおり、ぜひお目にかかっておこう」

と伊那丸はにわかに立ちあがった。

龍太郎や忍剣も、居士のすがたを拝さぬこと久しいので、先の松明をふりかざし、竹童をあんないにして、雷神の滝の断崖をよじ登っていくと、やがて竹童。

「みなさま、ごらんなさいませ。あのいちばん高い岩の上に、お師匠さまが立っておられます。そしてこちらの松明が、近づいていくのを待っておいでなされます」

指さすかたをみると、なるほど、滝の水明かりと、ほのかな星影の光をあびて、孤岩の上に立っている白い道士の衣がみえる。

「おお、老先生――」

龍太郎は、はるかに見てさえ、なつかしさにたえぬように、声をあげた。

熊笹にせばめられた道、凹凸のはげしい坂、息をあえぎあえぎ、その岩の根もとまでいそいできた四人は、そこへくると同時に、岩の上をふりあおぎ、声もひとつによびかけた。

「果心先生! 果心先生!」

すると――おおという声はなく、ふいに、孤岩の上の道士のすがたが、ふわりと宙へ舞いあがったので、四人のひとみも、あッ――と空へつられていった。