Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

四

この戦国、いまの修羅の世の中には、飢えて食をさけんでも、ひと握りの粟さえ得られぬ人がある」

「はい、わかりました。えらい人に会っちゃった!」

「だが蛾次郎、おまえ、近ごろはなにをしているな」

「親方の卜斎について、甲府城のお長屋に住んでます」

「オオ、卜斎どのもこの土地へきているか」

「小太郎山で、すてきな手柄を立てたんで。はい、それから大久保家の知遇を得ました。元木がよければ末木まで、おかげさまで蛾次郎も、近ごろ、ぼつぼつお小遣いをいただきます」

「けっこう、けっこう」

宮内はわがことのようによろこばしかった。

「なるべく身をつめてむだづかいをせず、お金をだいじにもたなければいけない」

「お金を貯めてどうするんだろう」

「あわれなものに恵んでやるのじゃ。それほどいい気持のすることはない」

「な、なーんだ、つまらねえ」

と、乾章魚をつまんで口の中へほうりこみ、飯を茶碗に盛ろうとしていると、門口の縄すだれがバラッと動いた。

ぬッとはいってきた魁偉の男、工匠袴をはいた鼻かけ卜斎である。ギョロッとなかを見まわして、

「亭主、うちの小僧はきておらなかったかい?」

ときく。

亭主はうしろをふりむいた。