Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

三

「ゆうべは真っくらでわからない。いずれ毒水を呑んだろう、朝になったら念のために、生死をたしかめにいこうと思っていたところなので」

「なるほど、竹童を投げこんだのは、貴公でございましたな」

「ところがいま見るに、あの鷲が宙へつりあげた。それをもって見るに竹童め、わしが水の手へ投げこんだとたんに、杭か岩の角で脾腹をうち、気をうしなったにちがいない」

「ウ……ウム? ……」

「で、ついに、毒水を食らわなかった。水を食らえば体重は倍の上にもなるゆえ、けっして、いくら大鷲でもくわえて飛べたものじゃない」

「だが、あの谷間へ落ちていっては、五体みじんとなったでしょう」

「イヤイヤ、あそこは深い檜谷、何百年も斧を入れたことのない茂りだ。落ちても枝にかかるか深い灌木の上にきまっている」

「そりゃいかん!」

伊部熊蔵はにわかにあわてだした。そして、それッと、周囲の武士を指揮して、

「朝めしまえの一仕事に、竹童のからだをさがしだせ」

といいつけた。

「はッ」

というと鉄砲組の中から五、六人、足軽十四、五人、山掘夫四、五人――小頭の雁六も一しょについて、まだ朝露のふかい谷底へ降りていった。