Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
二
その一念で、ふと忍剣のあたまに、あることがひらめいた。
「そうだ! クロはまだ生きているはずだ」
かれはその日から、急に道をかえて、思い出おおき、甲斐の国へむかって、いっさんにとってかえした。
忍剣が気のついたクロとは、そもなにものかわからないが、かれのすがたは、まもなく、変りはてた恵林寺の焼け跡へあらわれた。
二
忍剣は数珠をだして、しばらくそこに合掌していた。すると、番小屋のなかから、とびだしてきた侍がふたり、うむをいわさず、かれの両腕をねじあげた。
「こらッ、そのほうはここで、なにをいたしておった」
「はい、国師さまはじめ、あえなくお亡くなりはてた、一山の霊をとむろうていたのでござります」
「ならぬ。甲斐一帯も、いまでは徳川家のご領分だぞ。それをあずかる者は、ご家臣の大須賀康隆さまじゃ。みだりにここらをうろついていることはならぬ、とッととたちされ、かえれ!」
「どうぞしばらく。……ほかに用もあるのですから」
「あやしいことをもうすやつ。この焼けあとに何用がある?」
「じつは当寺の裏山、扇山の奥に、わたしの幼なじみがおります。久しぶりで、その友だちに会いたいとおもいまして、はるばる尋ねてまいったのです」