Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

、スパスパとむらさき色の煙をくゆらしはじめた。

しばらくゆくと、また呼んだ。

「昌仙、昌仙」

「はッ」

と、うしろのほうでこたえる。丹羽昌仙と早足の燕作とは、鎖駕籠の両わきに、つきそっていた。

「京の大津口から桑名まで、およそ何里ほどあるだろう」

「さよう? ……」

と昌仙は歩きながら懐中絵図をひろげて見て、

「二十九里余町――まア、ざっと三十里でございまする。すると桑名のご陣へつきますまでには、約三日ののちとあいなります」

「三日はすこしかかりすぎるな。どこか間道をとおって、二日ぐらいでまいれる工夫はなかろうか」

「なにしろ途中には、大津の関所、松本の渡舟、鈴鹿山の難路などがございますので……」

と、しきりに懐中絵図の説明をしていたが、そのうちに列のまっさきにあたって、あッ、という声がした。さきの野武士三人の手から、ふいに、虹のような陣刀がひらめいたのだ。

と思うと、その三名は、電光一瞬のまにたおれ、すさまじい一陣の風をついて、何者かが、向かってくる。

「おお!」

と、五十余名の大衆が、シタシタと足をひいて、まえをみると、霞のふかい松並木のかげから、忽然とおどりだした年わかい怪僧があった。