Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

三

と、あいかわらずな泣き虫の蛾次郎。

鼻の穴を天じょうに向け、喉ぼとけの奥まで夕やけの明りに見せて、声いッぱい、いい気になって、歌いだしたものである。

どうせ山の中だというふうに、卜斎もかまわずにほうっておくもんだから――。

水晶!     水晶!

むらさき水晶は  お染にやンべ

お染かんざしに  挿すよにサ

黒い水晶は    婆さまにやンべ

婆さまみがいて  お寺にあげて

文殊菩薩の    入れ黒子

「なんだ、あいつは」

と、びっくりしてふりかえったのは、別なことでぼうとしていた金鉱山掘夫や熊蔵たち。

沢から平坦な道へとびあがったとたんに、大勢のあらくれ男やさむらいが、ひとところにたむろをしていたので、蛾次郎も急に間がわるそうな顔をして、でたらめな水晶掘りの歌をやめてしまった。

その蛾次郎はともかくも、卜斎の風体人相、ひとくせありげに見えたので、伊部熊蔵は雁六に目くばせをして、

「オイ、待てまて」と呼びとめた。

他郷に入って争いすべからず、利ある争いもかならず不利、――という諺は、むかしの案内記などにはかならず記していましめてあることだ。まして、相手が悪そうだから、卜斎も悪びれないで、