Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
「おやすいことではございませんか」
「それがなかなか見つからぬのじゃ」
「地相、岩脈、山骨、樹姿、それらのものからよく観ると、どんな隠し道でもかならずわかるわけでございます。ことに、ここには野呂川があり、そこへ落ちる山瀬の水もありますことゆえ、水理を検討してゆきましても、それくらいなことは、さぐりあたらぬはずはございません」
「おまえ、たいそうくわしいな」
「は、は、は、は、は」
卜斎もわれながらおかしくなって笑いだした。
柴田権六に召使われていたころは、つねに、攻めようとする敵地へ先へはいって、そこの地勢水理をきわめておくのが自分の仕事であった。日本では何人と指を折られる築城の地学家、これくらいなことは、表看板の鏃をたたくことよりたやすいこと。
で、卜斎は瞬間にかんがえた。
世間はひろく歩いてみるものだ、――秀吉にはにらまれている身の上、家康の恩顧をうけるほかに生き道はないと考えていたら、これは、偶然とはいえ、願ってもないことにぶつかったものだ。
「どうですナ、お武家さま」と、さて、じぶんから口を切って、
「それほどおこまりのものならば、ひとつ、わたくしがこの砦のいただきへでられる道を、案内してあげようではございませんか」