Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
火独楽の焔が燃えついたのだ。
うつったものは乾燥されたワラであるし、屋根うらの高い小屋の木組は、一瞬にして燃えあがるべくおあつらえにできている。
ド、ド、ド、ドッと蛾次郎の悲鳴が小屋の内部をたたきまわった。出口をさがしているのである。しかし火を見たとたんに、逆上している頭では、七間四方ばかりな羽目板に、一つの出口がなかなか見つからない。
そッちじゃない! こッちじゃない! と頭をぶつけまわっては、ワラ山にはいあがり、煙にむせてはころげ落ちる。
かくてさわげばさわぐほど、火は散らかって一端から、パッと、一団の焔がたつ。
「しまッた――」
と竹童も、いまは蛾次郎を相手にしているどころではなく、焔にカッとうつって見えた出口のところへ馳けよって、五体の力を肩のさきに、グンとそこへ打つけていった。
戸はガッシリとして口を開かない。
さては横にひく車戸かと、諸手をかけて試みたが、ぎしッといっただけで一寸も開かばこそ。
「オオ、これは?」
裾に燃えつきそうな紅蓮をうしろにして、押しつ引きつ、満身の力をしぼったが、戸はいぜんとして鉄壁のようだ。
そればかりか、その時ふと耳についたのは、パチパチとはぜる内部の火の音ではなく、まさしく数十人の人足とおぼえられる物おとが、小屋の外部を嵐のごとくめぐっている。