Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いあいしゅう

遺愛集

島 秋人

Leggi 遺愛集 (いあいしゅう) di 島 秋人 (しまあきと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.488 caratteri · 102 schermate

Aozora Bunko

日日に身は足りながら優しさに見聞きの事に育くまれ生く

善き人のよきを憶ひて夜は更けぬ獄の虫のこゑを聴きつつ

わが寝れば閉づる掌と知る文鳥の足の指に来てわれとひるねす

しみじみと憶ひ知りつつ微笑みて和む身の今すべてが愛し

過去になき深き安らひ身にありて飯食むにさへ笑みの湧き来る

おのずからよしとして受くる事のあり愛しさにゐて耐へ得るときに

いのちありて今し覚めたり愛ほしみ澄ませば聴ゆる雨の音なり

恵まれぬ過ぎし日に無き優しさの日に日に深む身となりて愛し

足りるかと心に問へば笑み湧きて独り憶ひのさ夜は更けたり

遺影かも知れぬ写真を撮る時をはるかの空に鳩の舞ひをり

かたみかも知れぬと思ひ撮られつつ青澄む空に鳩の舞ふ眺る

シャッターを押さるるまでの眼に写る鳩の舞ふ空は青く澄みたり

珍しと土に転べるこがねむし手足うごくに拾ひて来たる

こがねむし拾ひ来し日はをさなめき名付けて終日獄に這はす

今のわれあるを思はず生かされて愚かさの果ての幸を知るなり

ほめられしことのなつかし笑みゐつつ独り憶ひのさ夜は更けたり

身のすべて土に還るを思ふ夜安けく秋の雨は降るなり

身をひとり透り澄む陽のなかに入れ過去なる笑みの憶ひたどりぬ