Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おれはにじゅうめんそうだ

おれは二十面相だ/妖星人R

江戸川 乱歩

Leggi おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 194.415 caratteri · 391 schermate

Aozora Bunko

ああ、その長かったこと!

とうとう一分前になりました。

チクタク、チクタク、腕時計の秒をきざむ音が耳につきます。あと、六十秒で十時なのです。

三人とも、まっさおになっていました。まるで、死刑の時がせまってくるような恐ろしさです。

二十秒、十秒……。

「あっ、あと五秒です。」

山口青年が、気でもちがったような、とんきょうな声をたてました。

そういううちに、ああ、ついに、十時きっかりになりました。

「十時です。……あいつは、とうとう、やってこなかったですね。」

恩田さんが、ほっと、ためいきをついて、ひとりごとのように言いました。

「もう、十時一分すぎました。あいつは、約束を守らなかった。恩田さん、われわれの勝ちですね。」

松波博士もうれしそうです。

「ワハハ……。ざまあみろ。二十面相のやつ、とうとう、手も足も出なかったじゃないか。あいつの負けですよ。ワハハハ、こいつはおかしい。」

山口青年が、またもや、気ちがいのように、わめくのでした。

すると、その時です。

「おれは、負けなかったよ。」

どこからか、気味のわるい声がひびいてきました。

思わず、三人は顔を見合わせました。