Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Leggi 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) di 徳冨 蘆花 (とくとみろか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.742 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

三の二

何? ずっと向こうの銀の針のようなの? そうそう、あれはやっぱり利根の流れだ。ああもう先はかすんで見えない。両眼鏡を持って来るところだったねエ、浪さん。しかし霞がかけて、先がはっきりしないのもかえっておもしろいかもしれん」

浪子はそっと武男の膝に手を投げて溜息つき

「いつまでもこうしていとうございますこと!」

「黄色の蝶二つ浪子の袖をかすめてひらひらと飛び行きしあとより、さわさわと草踏む音して、帽子かぶりし影法師だしぬけに夫婦の眼前に落ち来たりぬ。

「武男君」

「やあ! 千々岩君か。どうしてここに?」

三の二

新来の客は二十六七にや。陸軍中尉の服を着たり。軍人には珍しき色白の好男子。惜しきことには、口のあたりどことなく鄙しげなるところありて、黒水晶のごとき目の光鋭く、見つめらるる人に不快の感を起こさすが、疵なるべし。こは武男が従兄に当たる千々岩安彦とて、当時参謀本部の下僚におれど、腕ききの聞こえある男なり。

「だしぬけで、びっくりだろう。実は昨日用があって高崎に泊まって、今朝渋川まで来たんだが、伊香保はひと足と聞いたから、ちょっと遊びに来たのさ。それから宿に行ったら、君たちは蕨採りの御遊だと聞いたから、路を教わってやって来たんだ。