Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
いいか! 山屋敷の官庫へ日本左衛門が入って、何か荒して行った晩は、てめえと龍平が、一緒にそれを見ていたはず、龍平が首になるくらいなら、言わばてめえも同罪でなけりゃならねえ、おまけに罪のねえおれ達まで、巻添えを食らって山屋敷を追ン出され、てめえばかりに涼しい顔をしていられたんじゃ、大の男三人が世間へ出す顔がねえ。さ、呼ぶならここへ呼んでみろ! 山屋敷の分らずやの役人どもを、呼ぶならここへ呼んでみろ! その綺麗な化けの皮をヒンむいてくれるから、どいつでもここへ呼んで見てくれ」
酔いどれのような喚き声をあげる源六、今にも飛びつきそうな権次と松、三人の顔を当分に流し目で見ていたお蝶は、言わせるだけ言わせておいてから、
「じゃあ私、呼ぶのは止すわ……」
と、そこの木の根へ蹲踞みこんで、妖麗きわまる銀簪と赤い襟裏をのぞかせました。
「それまで知り抜いているのでは、いくら強情な私でも、観念するよりほかに道はないネ」
かがみ込んだまま地に向って、お蝶は、ひとり語のように言う。
「……ああ悪いことはできないもんだ……」
「おい」
赤い襟裏をイヤな目でのぞきながら、三人のうちで仲間の源六が、丸まッているお蝶の肩を指先で小突いて、