Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「あいつが、水門尻で捕方にあげられたのは、てめえ達も知っていように、だれも率八ひとりを伝馬牢から助け出してやる奴が居なかッたのか」
「へえ」
と、おそれいる後ろから、尺取の十太郎、
「親分、率八の体のことは、御安心なすッて下さいまし。江戸に残っている仲間の者が、この間牢役人に手を廻して、うまくもらい出したそうでございます。――ただ今夜の報らせは間に合いませんので、ここに姿を見せませんが……」
「そうか、それは好くやッてくれた。今日の寄合はこの頭数で充分だ」
満足そうに頷いて後、何か金右衛門に顔を寄せて低声に打合せをささやいておりましたが、
「時に」
と、重い語調で、一同へ向き直る。
改まって、何をいい出すのかと思っていると、日本左衛門、
「――この間うちから夜光の短刀の事について、皆が必死に働いてくれたおかげで、どうやら少し糸口がついて来た。まず今夜の用件を相談する前に、それから先に礼をいっておく」
両手を膝にし、慇懃に頭を下げましたから、居ならぶ手下の渋頭巾も、おのずとそれに従ッて膝まで頭を下げずにはいられません。
「ウーム」と、腕ぐみをして眺めていた秦野屋九兵衛は、日本左衛門が常にその手下を、小憎いぐらいに巧みに使う旨味はここだなと感服しつつ、これで盗賊なんだから呆れたものさと、自分の盗賊なることを忘れて考えこみ