Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
さすがな釘勘も目を瞠ってしまう。
河ッ童穴の奥は、いつのまにか百坪程もひろげられて、板も敷いてある。羽目板も立ててある。蓆や座ぶとん、火鉢やせり台、立派な盗賊の都会、盗品の取引市場として盛っている。
顔ぶれの中には、諸国の役人を血眼にさせている雲霧と呼ぶ兇賊や、常にその居所の知れない抜け買い(密貿易)の頭の先生金右衛門や、有名な道中師戸隠の伊兵衛、そのほか目ぼしい悪玉が指を折るにいとまもないのですから、その雰囲気を嗅いだだけでも、金吾は面をそむけずにいられなかったが、南奉行所づきの中で釘抜きといわれた程に、職業的本能の強い目明しの勘次郎、かれは吾知らずに、ブルブルッとしてくる総身のふるえを抑えきれぬもののようでありました。
幸いなことに、洞内を赤く照らしている灯は、煙草の煙に茫としているし、すでに市も進んでいるので、一同の喧騒と物慾にくらんでいる目は、そッとまぎれ込んだ金吾にも釘勘にもさしたる注視を向けていない。
その渦の中で、ひとりの男が、
「ジャワ更紗!」
と叫んで、絢爛な反物をひろげる。
「ジャワ?」
「南蛮だ」
「どっちでもいい。さ、いくら!」