Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「逃げようとしても、逃げられない」
「いいえ、逃げようとすれば、きっと逃げられるけれど、お前さんみたいな、しつッこい、根気のいい、そして、やたらに変な子分の多い人に見こまれては、私も助からないものと覚悟をきめましたわ」
「そうだ、お前のいうとおり、おれは執着と根気の人間だ。あきらめたか」
「で、私を殺すつもりなんですか」
「いやと言えば、それよりほかにしかたがない」
「え、何をいやと言えばなの?」
「女房になれ。おれの女房になるとここで誓いをしろ。そして、おれが幾年かたずねている夜光の短刀を、共々、一緒になって、探索するということを、きっとおれに約束するのだ」
「――夜光の短刀のあるところですって。私、何にも知りゃあしないのに」
お蝶のことばは、胸元へ来ている刀に自分の体のうごきを止められているようでもなく、だんだん常の調子になって、
「それだのに、そんな誓いを立てたってしようがないじゃないの」
と、流し目に言って、相手の顔色をジッと見ました。
「いいや、お前はそのありかを知らなくても、おまえにそれを教えようとしている人間がある」
「たれ」
「ヨハンだ。山岳切支丹族の者だ」