Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

「やっ!」と、辺りに人なきものと安心していた三人も、愕然として飛び上がりました。そして、

「きゃつら、高麗村の廻し者ではないか」

「いずれにしろ、今の秘密を聞いたやつ、逃がしては一大事だ」

言うが早いか、風を切ッて走った人形師の梅市は、いきなりおりんの襟がみをつかんで、

「や、てめえは狛家の女中だな」

さてこそとばかり、ねじ仆して、裏の方へ引きずり戻してくる。

「逃がすなッ、そいつも!」

こう叫んだのは針屋の丁二郎で、挾み打ちに廻った蓑直しの安蔵と共に、野づちのように逃げ廻る鍛冶の半五郎を追い廻しましたが、半五郎はいち早く、土べいのくずれた所を越えて、岡の中腹へと飛び降ります。

と――追いかけて行った安蔵と丁二郎も、黄色い木の葉を舞わせながら、姿は見えないで灌木の傾斜をザザザザと下へそよがせて行きました。

山岳切支丹族は、もとより秘密の集団です。禁制の宗教を奉じて、山から山を移り棲む、漂泊の民です。

世に交わりを絶って、山や渓にばかり生きているこの仲間が、兇暴なのは申すまでもありません。

かれらの信奉するデウスの聖典にも、殺人の罪悪なことは教えてありましょうが、為政者の迫害に追われて、世間なみの陽があたらぬ深山に漂泊生活をしてくるうち、いつか子孫へ原始人的な性質をそだてて来たのは、まことに当然なわけで、生物進化