Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
するするとつづいて降りる。お蝶はひとりの漆掻きの背なかに負われて降りました。
「おや?」
一同が下へ着いたかと思うと、今降りて来た繩梯子が、カラカラと上へ手繰り上げられたので、新助は雲霧にささやいて、
「兄貴、すこし油断がならねえぜ」
「ウム……」と、彼の目もこの辺から猜疑ぶかく働いていました。
「あしたの朝になれば、秩父の町へゆく馬があるといったが、こんなスリバチの底のような所から、どうして馬が通えるものか」
「それに、繩梯子を巻き上げたりなどしやがって、どうも気振りが腑に落ちねえ」
「だが、ここまで来てしまっちゃ追いつかねえことだ。行くところまで行ってみるよりほかはない」
が――泰野屋は平然と黙りこくッて歩いていました。むしろ好奇の目をもって、盆地の風物をながめている。流れに添って部落へはいると、やがて大きな水車があります。水車のそばには自然木で組まれた、非常に頑固で原始的な小屋があり、小屋には小さな覗き窓が鳩の家のように切ってある。そしてそういう建物は、一戸ならず十数戸、樹木を隔て水をへだてて散在しております。
一戸の小屋の中からは、シューッと物を摺るような音が洩れる。