Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
降り積っても積っても、雪の下から芽を出さずにいない雪割草のように、彼は十四にまでなった。
体は小粒だった。しかしいじけた小粒ではない。飽くまでかちっとして肉緊りのいい顔をしている。葡萄みたいな丸こい眼をして、髪の毛など、いくら叱られても叱られても鳥の巣みたいにしている。足は常に裸足だ。袴や小袖はのべつ綻びを切る。まるでむささびだと、堂衆たちも持てあましている。
――が、こうなるのは、彼として自然だった。山では誰ひとり、彼の系図に特別な尊敬を払う者もない。生涯、山の飼いごろしとなる宿命の子としか見ていない。ほかにも同じ年頃の稚子はたくさんいるので、その中に交じっている牛若が、ややほかの童子とくらべてどこか異色が見えたりなどする折に、法師仲間で、
「あれは、義朝の子だそうだ」
などと稀に指さす者があっても、
「ふーむ。義朝の胤か」
と、頷くだけのものである。
今の平家に対してすら、山の衆徒は、決して腹まで服従はしていないのである。まして亡んだ源氏のごときは、散った桜ほども眺めていない。
また、牛若も、人々から憐れがられるような子でなかった。小つぶのくせに、面魂を備えているからである。