Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
鷹の子は生まれながら鷹の子の叛骨をそなえている。この叛骨は、母胎を出た年に、平治の乱の兵火を見、あらゆる憂き目と闘った母の強い意志を乳ぶさから吸い、やがて鞍馬の山巒と山法師に揉みに揉まれて、いよいよ烈しいものになりかけていた。――そしてまだそれを優雅に被いかくす社交性もなければ、怖れも知らない年齢なのである。
知らないといえば、彼はこの山以外の世の中さえよく知らない。世間の人中というものは七歳前の淡い記憶しかなかった。だんだんに知って来たのは、
(どうして、わが身は、この山の他へは一足も出て行けないのか)
と、いう疑問だった。
その理由が、うすうす彼自身に解けて来たことは、実は彼自身で自分の生命を、危険な方向へ曝してゆく事だった。きびしい監視はよけい厳しくなって来た。そして生れながらの不敵なたましいも、その環境に育てられるばかりだった。
「ゆるさんぞッ。今日は」
薙刀の柄をふるって、法師はいきなり牛若を撲りつけた。
牛若は逃げ損じて、腰のあたりを強かに打たれ、
「痛いっ」
と、さけびながら転んだ。
「ちと、懲りろ」
法師たちの高歯の下駄や木履が彼の背をふんづけた。